スギ薬局、地場アルプロと提携 PBや日本製商品を輸出販売 へ

By Alpro Pharmacy

July 12, 2022

              ドラッグストア「スギ薬局」などを展開するスギホールディングスは6日、マレーシアで薬局・診療所事業 などを展開するアルプロ・ファーマシーと業務提携した。アルプロを通じて、スギ薬局のプライベートブラン(PB)や日本のメーカーのヘルスケア・パーソナルケア商品を輸出・販売する。スギホールディングスはアジアを中心に海外事業を拡大しており、現地企業と業務提携するのは3カ国・地域目となる。

業務提携契約の調印式で記念品を交換するスギホールディン グスの杉浦社長(右から2人目)とアルプロ・ファーマシーのロウ・ スウィーシオン最高経営責任者(CEO、同3人目)=6日、ヌグリ スンビラン州(NNA撮影)

     アルプロがマレーシア全国に展開する薬局の専用コーナーと、同社の電子商取引(EC)を通じて、スギ薬局のプライベートブランド「エスセレクト」商品や日本のメーカーが製造するヘルスケア・パーソナルケア商品を販売する。

       アルプロの薬局での販売開始に先立って9月
以降に、三越伊勢丹ホールディングスが首都クアラルンプールで運営する百貨店「伊勢丹」のKLCC店、ロット10店、ザ・ガーデンズ店にポップアップストアを出店する。

         このほか、スギホールディングスは、ドラッグストアの陳列、販売方法、オペレーションといった経営および運営ノウハウの共有や、ロゴなどの商標許諾などを行う。一方、アルプロは、輸入商品のマレーシア国内におけるマーケティング活動や、訪日(インバウンド)マーケティング活動などに協力する。両社は、共同で商品開発や人材交流も行う計画だ。

         今回の業務提携は、アルプロが、スギホールディングスにオンラインでアプローチしたことがきっかけとなった。メッセージを受け取ったスギホールディングスの担当者がマレーシアで勤務経験があり、アルプロの存在を知っていたことから業務提携に向けた話し合いが始まったという。

          スギホールディングスおよびスギ薬局の杉浦克典社長は、「アルプロとの業務提携を決定した理由は『経営理念』と『成長性』の2つある」と説明。「薬剤師の教育や患者への対応といった、人を大事にするアルプロの経営理念に強く共感した。デジタル化に先進的に取り組みながら生産性を高めることを運営手法とし、店舗網も拡大していることから、マレーシアを代表する企業になっていくと見込み、業務提携を決めた」
と話した。

           マレーシアで販売する商品については、「マレー系、中華系、インド系など多民族国家であることを考慮し、アルプロと話し合いながらそれぞれの民族に合う商品ラインアップを考えていく」とコメント。「超高齢社会を迎えた日本には関連商品が多くあり、これから高齢化が進んでいくマレーシアでも商機がある」との見
方を示した。

          2002年設立のアルプロは、ヌグリスンビラン州ポートディクソンの個人経営の薬局を起源とする。全国に薬局「アルプロ・ファーマシー」を展開し、店舗数は会社設立から20年で190店以上に拡大。処方箋調剤数では国内トップシェアを誇るという。

■アジア市場に活路

            スギホールディングスは、関東・中部・関西・北陸エリアにドラッグストア1,501店(5月末時点)を展開し、薬剤師約3,000人と管理栄養士約500人を擁する。

           超高齢社会を迎えた日本では、新型コロナの感染拡大による打撃もあり、ドラッグストア業界は国内だけでは経営が難しいことから、同社はアジアを中心とした海外に活路を求めている。20年には薬局チェーン「大樹連鎖薬局」を運営する台湾の大樹医薬、21年には薬局やEC事業を展開するベトナムのオミケア(Omicare)とそれぞれ業務提携した。

           杉浦社長は「(マレーシアとベトナム以外の)東南アジア諸国へも出店の話があり、進出の可能性はある」と話した。

マレーシアで販売するスギ薬局のプライベートブランド(PB)「エスセレクト」商品の一部=6日、ヌグリスンビラン州(NNA撮影)

原著:NNA ASIA

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